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私たちの仲間である、一陽会労働組合のストライキ報告を掲載します。 

 一陽会労働組合は、12月9日に陽和病院(東京・練馬区)で「一時金低額回答弾劾」「人員補充」要求のストライキを打ち抜きました。
 「正規職1.5ヶ月」の低額回答を多数派労組執行部は丸飲みし妥結しました。「何よりも病院の今後の経営の方向性が重要」(多数派労組のビラ)―これは「病院が潰れたら仕方がないから、我慢しろ」という経営の論理そのものです。もってのほかです。  
 一陽会労組がこの間集めた一言メッセージは、圧倒的に「ボーナス上げろ!」でした。職場にあふれる「こんな一時金では生きられない」「人員を補充しろ」の怒りを体現するものとして、ストライキを打ち抜いたのです。


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 11時半から院内食堂前で行ったスト突入集会では、非組の仲間が合流し「今の経営陣は、本当に経営が下手だ。そんな方たちには、今すぐ辞めていただきたい」とアピールしてくれました。これが現場の怒りです。
 更に12時半から外来前で行った経営への抗議集会には、労組や地域の仲間、全学連など40人が集まって下さりました。同じ練馬区の泉陽会労働組合、多摩連帯ユニオン根岸病院分会などが激励の発言。また東京北部ユニオンで介護施設での解雇撤回を闘う仲間は「利用者のために行動したらクビ。福祉現場はブラックだが、職場に戻る」発言などが相次ぎました。その間、職場の仲間が踊り場や階段でガッツポーズをしてくれたり、声援をくれたり、後から「建物の中からもよく聞こえたよ」と声をかけてくれたり…。さらに、一陽会労組が中心となった「コロナ禍での医療介護福祉の安全を考える会」が訪問した地域の介護事業所からも参加してくれました! それほど、コロナ下で格闘しているのに低賃金と人員削減にさらされている医療介護福祉現場には怒りが満ち溢れているのです。その結集軸になりうる飛躍をかけたストは、大きな出発点となりました。

 総括として、新賃金制度導入強行以来2年間の闘いで、当時はまだ多かった「赤字だから仕方ない」イデオロギーを打ち破ったことです。18年の新賃金表導入以降、私たちの職場は一変しました。「病院を建て替えるための資金」と「赤字」がセットにされ、賃金・ボーナスカットと平行して、人員問題が深刻な状況を招いてきました。退職や人事異動などで欠員が生じても、不補充か非正規職への置き換え、更に他部署との兼務で、全然人手が足りていない。同僚や他部署の仲間たちと業務上で話すことはおろか、患者さんや利用者さんの対応もおざなりになり、常にギリギリの状態で職場を回しているのです。
 団交で「赤字」のウソを暴いた連日の職場ビラで、職場全体の空気は一気に塗り替わりました。それを「一言カード」として組織し、スト当日の集会に組織しました。そして何よりも、コロナ情勢下で「医療は社会保障だ」のストを実現できたことです。船橋二和病院労組の第2波ストと厚生労働省前行動を共に闘ったことが励みとなり、それに続くストライキをできたと思っています。
 スト後も、職場からは「資本の言いなりの御用労組なんかいらない」などの声が寄せられています。この声を、本当に職場に根差した労働組合作りに進めていきたいと思います。

 今や、コロナ感染拡大で大阪などには自衛隊の医官や看護官が派遣される状況になっています。しかしこれは、維新が公立病院を民営化し、看護師や公務員、福祉への予算をカットしてきた結果です。そして小池都知事も一緒です。都立病院を独立行政法人化するな!  公立病院を削減するな!
 全国の医療介護労働者の皆さん。世界で沸き起こる病院ストの波を日本でもつくり出していきましょう!